映画「悪の教典」
2012-11-24


「悪の教典」の映画を観てきました。
 原作は、同名の小説で、2010年のベスト1ミステリーでした。
 小説も凄かったけど、映画のほうがもっと凄かった。面白いというよりやはり凄いというのが感想ですね。よくこんなもの造りましたねという感じです。
 原作を読んだ時、続編が書かれるのかななんて気もしたのですが、映画では最後にはっきり「to be continued」て出ましたね。これ、普通なら、「続く」ってことですよね。
 でも、この映画の監督は、遊びでこんなことやるとかいう人らしく、続編が出ることに懐疑的な人も多いらしいですね。
 僕としては、続編はないほうがいいように思いますが。

 以下は、原作の感想です。
(2011年01月09日の当ブログ)
悪の教典(貴志祐介)文芸春秋
 昨年の国内物ベストミステリーは、ガイドブックでは文句なしに「悪の教典」だろう。
 「週刊文春のミステリーベスト10」と「このミステリーがすごい!」とで第1位、「ミステリが読みたい!」で第2位にランクされている人気である。
 主人公は、サイコパス(性格異常?)の高校教師であるが、イケメンで上手に仮面をかぶっているので生徒間の信頼、人気が高い。
 その人気教師「ハスミン」が、とんでもない犯罪を次から次に犯す。その凄まじさと迷いのない実行力に、何故かいつの間にか快哉感すら覚え始めるのだが、読後感は、どこかあまりよくない。
 プロットやストーリー展開に荒さは目立つし、「そんなー」とか思うところも多々あるが、確かに読むには面白い小説だ。この本の終わり方からすると、もしかしたら続編が書かれるかもしれないなとも思ったが、どうだろうか。
 上下巻合わせて850ページ近く、厚さにして7.5cmもあるのだが、二日で読んでしまったくらいに面白い。
 が、しかしである。こんな小説が、ミステリーのナンバーワンとしてもてはやされていいのか。
 もともとホームズ系の本格ミステリーファンとしては、穏やかではない。クライムミステリーであっても、ルパンなどのようにどこか「ヤッタネ!」と痛快な気分にさせるような小説がいい。
 「悪の教典」を読んだ後には、そんな正統派のミステリーを読みたくなってしまった。
                               by やまなみはるか

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