さよならドビュッシー
2018-06-28


禺画像]
さよならドビュッシー(中山七里 著)宝島社文庫

 ピアニスト岬洋介シリーズの第1作目の作品で、第8回(2009年)「このミス」大賞受賞作ですね。
 「このミステリーがすごい!」大賞(略称「このミス」大賞)は、2002年に宝島社、NEC、メモリーテックの3社が創設したノベル・コンテストで、大賞賞金は1200万円。過去の受賞作には、「チームバチスタの栄光」や「生存者ゼロ」などがあるけれど、うーん僕の知っている作品がないなあ(以上Wikipediaを参照)。
 このシリーズを僕が最初に読んだのは昨年の8月の「どこかでベートーヴェン」でしたが、その音楽描写に感心してシリーズをもっと読みたいと思っていた。今回少し時間ができたので第1作目の本作品を読みました。
 文章は平易で、今回もすらすら読めたのですが、その音楽描写は素晴らしいですね。まるで実際のピアノ演奏を聴いているかのようです。演奏にぐいぐいと引き込まれます。
 音楽を言葉で表現するのはとても難しいことだと思うのですが、やはり文才がある人の表現は素晴らしい。このシリーズや、恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」、奥泉光さんの「シューマンの指」などの音楽描写は本当に感動します。
 本作も、やはりミステリーということで謎やトリックがありますが、ミステリーのファンなら、最初からトリックや犯人がある程度予測できるようなものです。ミステリーとしてよりも音楽小説として読んだら楽しく読めますね。
 第2作目の「おやすみラフマニノフ」も第3作の「いつまでもショパン」も近いうちに読むつもりです。それと、準備中とかいう「もう一度ベートーヴェン(仮題)」はどうなっているのでしょうか。

コメント(全1件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット