フロスト始末
2017-09-21


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フロスト始末(上、下)
 (R・D・ウィングフィールド著 芹澤恵訳)創元推理文庫

 われらが愛すべきフロスト警部シリーズもとうとう最終作になってしまいました。しょうがないですね。作者が亡くなってしまったのだから。作者のウィングフィールドさんは、本作を完成された後、出版をまたずに亡くなったんだそうです。
 作を重ねるほどに、主人公のフロスト警部の捜査は、有能敏腕ぶりが増してきていたのに残念です。彼の下品な下ネタユーモアももう聞かれないのが寂しいですね。
 さて、本作はシリーズ第6作目。今回も複数の事件が同時並行的に進行する、モジュール型の物語です。あまりにもたくさんの事件が次から次に起きるので、読むほうもよくわからなくなったりして大変ですが、いつものフロスト警部の頑張りがすごい。ほとんど不眠不休。
 今回は、少女の強姦殺人事件。えげつないですよ。
 それにちょっとした警部の悪事が露見しそうになり、デントン署から追い出される危機に、万事休す!
 さしものフロストも、今回ばかりは過去の思い出に感傷的になるところなども出てきますが、部下想いの愛すべき主人公が切り抜けることができるのか。

フロスト警部シリーズは、
1 クリスマスのフロスト
2 フロスト日和
3 夜のフロスト
4 フロスト気質(上、下)
5 冬のフロスト(上、下)
6 フロスト始末(上、下)

の順で、すべて創元推理文庫に入っています。どれも長編ですが、だらだらしていないので読みやすいと思います。

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