さよなら妖精
2016-02-07


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さよなら妖精(米澤穂信 著)創元推理文庫
 昨年の国内ミステリー三冠王は、米澤穂信さんの「王とサーカス」でしたね。それを読もうと思ったら、その主人公が初登場する小説があるということを知った。それがこの「さよなら妖精」だ。僕の性格上、そういうものがあるのなら、それを先に読まなくてはどうも先に進めない。
 ということで読みましたよ。その気になれば短時間で読めるやさしい読みやすい小説です。
 僕は、ミステリーを読むつもりで読み始めたのですが、犯罪はいつまでも起こらないし、もちろん殺人事件など起こらないのですよ。
 なんだか青春小説を読んでいるような気分になりました。
 ミステリー小説だから、謎はきちんとあります。それを解く手がかりもフェアに書かれているのですが、最後の部分にならないと何が謎で、どう解き明かすのかわからない。
 まあ、普通のミステリーとは違った謎解き小説ですね。
 探偵役の一人「太刀洗万智」が、次の「王とサーカス」の主人公(探偵役)になるのでしょうが、まだ高校三年生で、その個性も少しぼんやりとしていて確立されていないような感じです。さあ、10年後の太刀洗万智がどのような女性になっているか、「王とサーカス」を読むのが楽しみです。
 ああ、それとユーゴスラビア連邦が物語のもう一つの舞台(?)なのですが、作者の卒論のテーマがユーゴスラビアだった(ウィキペディア)ということらしいいので納得。
 この「さよなら妖精」は、2005年版の「このミステリーがすごい!」で20位にランクされている。

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