ミレニアム1
2010-01-19


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ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上、下)
(スティーグ・ラーソン著 ヘレンハルメ美穂・岩澤雅利訳)早川書房
 昨年のミステリーで、「ミステリが読みたい」、「週刊文春ミステリーベスト10」で1位、「このミステリーがすごい」で2位となっている、評価の高いミステリーの第1部である。全体は三部作であるが、この1部だけでも一応結末はついているので、とりあえず取り上げました。
 世界中で数千万部売れているという人気作品である。作者のラーソンは、スウェーデン人という。僕が知っているスウェーデンのミステリー作家は、警察小説の傑作「笑う警官」の作者ペール・ヴァール&マイ・シューヴァル夫妻くらいであり、推理小説の世界では、めったにそこが舞台にはならないので久しぶりにスウェーデン社会を垣間見ることもできた。
 スウェーデン人の名前が覚えにくくて、読みはじめは、なんとなくもたもたしたが、読み進めるうちに慣れてきて楽に読めるようになった。
 孤島から美少女が忽然と消えた。40年前のことである。その謎を調査するよう依頼されたのが、経済ジャーナリストの主人公である。それに協力する風変わりな女主人公が、すごい。まあ、普通の主人公ではありませんね。今までにない(少なくとも僕は知らない)タイプの主人公です。僕は何だかあまり好きになれそうにないけど、読者間の人気は高いようです。
 全体として独創的な謎解きとか目新しい趣向とかは少ないが、いろんな要素が詰め込まれており面白い作品となっている。
 全部で五部作にするつもりだったらしいが、作者のラーソンは、三部作を完成させたあと、50歳で亡くなっているから、この三部作で終わりということ。
 先の「笑う警官」の作者の夫のほうもシリーズを完成させた後、48歳で亡くなったというから、なんだかこちらもミステリーかな。

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